ストラテジーを止める基準とは?

 自動売買で運用しているストラテジーの稼働を停止させるタイミングとは、どのような状態になった時か?


 以下は、具体的な方法としての「ストラテジーを止める基準」であり、ストラテジーの稼働を停止させるタイミングは3つある。これら3つのうち、どれかを満たした場合には、即座にそのストラテジーから撤退しなければならない。

 

ストラテジーを止めるときとは?

 

  1. 自己ドローダウンが1000pipsを超えたら
  2. 総資金の5%を失ったら
  3. 過去最大ドローダウンの3分の1に達したら

 

 自動売買で稼働中もストラテジーを止めることが好ましいとされる基準は、上の3つのいずれかの基準を満たした場合である。どれかの項目に達した時には、直ちに問題のロジックをポートフォリオから取り外すのが、理想的なリスク管理だ。

 

1.自己ドローダウンが1000pipsを超えたら

 

 自己ドローダウンとは、あるストラテジーを自分自身が利用する中で、資産が最大の時からの下落幅のことを指す。人によって、許容できるドローダウンの幅は異なることであるが、私自身では、1つのストラテジーを利用する中で許容できるドローダウンは1000pipsである。

 

 これ以上のドローダウンにはまってしまうと、たとえポーフォリオを組んで他のストラテジーを同時に稼働させているとしても、1つのストラテジーで1000pipsよりも多くの損失を経験してしまったら、後に資産を回復することが難しくなってしまう。

 

 相場には不確実性も覆うことから、1000pips以上の下落幅に遭遇したからといって、その後の回復が不可能であるというわけではないが、やはり1度大きな損失を味わってしまうと、心理的な負担は大きくなってしまう。

 

 一方で、1000pips以下の自己ドローダウンですぐにストラテジーを止めてしまうのも、良い運用方法とは言い難い。たとえば、500pipsくらいの自己ドローダウンを撤退基準とするべきであるという案もある。しかし、500pipsくらいのドローダウンなら、大きなドローダウンとはならなくても起こり得る下落幅である。

 

 逆に、500pips辺りを撤退の基準にしてしまうと、小さなドローダウンが起こった場合にすぐさまその基準に引っかかり、そのストラテジーを止めざるを得なくなる。なので、小さすぎず大きすぎずの1000pipsが適切な値であると、私は考える。

 

 したがって、1つのストラテジーで許容するべきドローダウンは1000pipsであり、自己ドローダウンの幅が1000pipsを超えたら、そのストラテジーを用いた運用は止めるべきである。

 

2.総資金の5%を失ったら

 

 第2の「ストラテジー稼働停止基準」は、投資資金の総額(元本)の5%を失った時点である。5%を別の形で表記すると20分の1である。1つのストラテジーで元本の多くを失うことは、資金的にも心理的にも大きなダメージとなる。自動売買でリスクを1つのストラテジーに集中させないために、複数のストラテジーを組むことは必須のことであり、私もほかの記事でその重要性を述べた。


 そんな中で、複数のストラテジーを稼働させたとはいっても、1つのストラテジーで資産を一定以上失ってしまったら、せっかくリスクを分散させた意味がなくなってしまう。なので、1つのストラテジーで元本割れのリスクをなるべく抑えるために、元本の5%を失った時点で、そのストラテジーから撤退するべきである。


 仮に、元本が100万円である場合、元本の5%を失った時点を該当するストラテジーからの撤退基準とした場合、失う資金は5万円である。100万円の元本ということで、5万円くらいならば、後に資産を回復させることは決して難しくはない。


 しかし、失う資金が元本の10%となると、それを失った後での回復は簡単ではない。また、精神的にも自動売買そのものからも撤退したいという気持ちも働かないとは言い切れない。


 よって、総資金の20分の1の損失が1つの目安であると、私は考える。

 

3.過去最大ドローダウンの3分の1に達したら

 

 過去最大ドローダウンとは、検証期間内でストラテジーが経験した最も大きなドローダウン幅のことである。このことから、最大ドローダウンは、そのストラテジーに含まれるリスクの1つの指標であると受け止めることができる。

 

 第3の「ストラテジー稼働停止基準」は、自身が経験しているドローダウンが過去最大ドローダウンの3分の1に達した時点である。相場の性質上、多少のドローダウンを遭遇することはやむを得ないことであり、また避けることもできないリスクである。


 しかし、大きなドローダウンに遭遇してしまった場合には、そのストラテジーが衰退期に入った可能性も否定できない状況である。その判断材料として、過去最大ドローダウンの3分の1のドローダウンを目安とすることを、私はお薦めする。

 

 ストラテジーが登場したばかりのものであれば、まだ実績が浅く、過去最大ドローダウンも存在しない、またはほんのわずかな値である。こういう場合、最大ドローダウンを「ストラテジー稼働停止基準」に用いることは好ましくない。

 

 したがって、歴史が浅いストラテジーの場合は、第3番目の基準は使うべきではない。一方で、歴史が長いストラテジーであれば、過去最大ドローダウンの値も大きい。なので、「ストラテジー稼働停止基準」としてこれを用いることは十分効果がある。

 

 したがって、取引実績が長いストラテジーにおいて、現在更新しているドローダウン幅が、過去最大ドローダウンの3分の1に達した時点で、そのストラテジーによる運用は止めることが、この第3のルールである。