「ストラテジー入れ替えプロスペクト」理論とは?

 「プロスペクト理論」とは、含み益が出ている時は、その金額が小さいものであっても早く利食いをしたいと考え、含み損が出ている時は、たとえその金額が大きくても損切りをすることなく、さらなるリスクを取ったとしても利益が回復することに賭けたいと考える人々の心理のことを指す。


 つまり、自然的に「損大利小」のトレード行動をする傾向になってしまう理論が「プロスペクト理論」なのである。利益が少なくならないうちに確定する一方で、損失は絶対に確定したくないという気持ちになってしまうのが人間であるのだ。


自動売買におけるプロスペクト理論

 

 自動売買においては、直接的にトレードを行うのは人間ではない。ストラテジーという売買プログラムが取引の判断を行う仕組みになっている。したがって、プロスペクト理論が直接FX取引に反映されるわけではない。

 

 しかしながら、ストラテジーを選ぶ時と、その稼働を終える時は、人間手によって行われる。そして、自動売買を始める時と止める時について、プロスペクト理論が反映されてしまうのである。

 

 ストラテジーが利益を出し始めると、自動売買のユーザーは、少しでもストラテジーが利益を出す結果を出すと、損失が出る結果を経験しないうちに、新たにほかのストラテジーと入れ替えたいと考える。1回~数回のプラスの損益結果を受けただけで、そこで得た利益を次のトレードで吹き飛ばされてしまうことを恐れて、早いうちに他のものと入れ替えなくなってしまうのである。

 

 一方で、利用しているストラテジーで損失が出続ける結果を何度も受けたとしても、次のトレードからこそは今までの損失を打ち消すほどの利益が発生して、失った資金を回復させてくれることを過度に期待する。負けやすいストラテジーを使い続けるというリスクを承知した上でも、利益を取り戻すことに固執するのが、負け続けている時の心理である。この場合、自動売買のユーザーは自らの「敗北」を認めたくない気持ちになるのだ。

 

 これらのように、ストラテジーを用いて自動売買を行っている際に、利益が少しでも出ると、負ける前にほかのストラテジーと交換したいという思いになり、損失が許容できる限度まで達したとしても、利益を回復させることに期待しがちになる。そして、これが「ストラテジー入れ替えプロスペクト」理論なのである。

 

収益力のあるストラテジーを使う!

 

 自動売買で利益を長く上げるためには、収益力のあるストラテジーを利用してこそ、背大きな金額の収益を手に入れることができるのである。したがって、利益が出ている場合でも、他のストラテジーと入れ替える行動に出てはいけない。利益が出ている状況とは、収益力のある状態といえる。したがって、それを使い続けることによって、利益が伸びていくのだ。

 

 一方で、損失が出やすい状況にあるストラテジーについては、ある程度の損失が発生した時点で、他のものと入れ替えることを実践するのが好ましい。1つの売買ピログラムにおいて、自分が許容できる損失の基準である「損切りライン」に達した時点で、別のものと交換し、新たなプログラムで利益が出ることに期待することが大切である。

 

 収益力のないストラテジーで、利益が回復することは期待できない。したがって、もしそれを使う続ければ、損が増える可能性が大きく、自動売買としては非常に非合理的ではないだろうか。よって、収益力のある売買プログラムだけを用いて自動売買に臨むことが大切なのである。

 

 ただし、数回の損失決済を経験したからといって、直ちに入れ替えるのも良くない。たまたま運が悪く負けたという場合もあるからだ。なので、ある程度の金額の損失が発生してからストラテジーを入れ替えるのが、自動売買で利益を上げるためには好ましい戦術である。