為替取引のリスクにどう向き合うか? 未来を見越すために

 FXなどの為替取引においては、どうしても「リスク」という厄介なものが存在する。リスクが現実のものとなると、投資家自身は大切な資金の一部を失ってしまう。この損失が発生するというリスクが、為替取引には必ずあるのだ。


 損する原因とは、為替レートが動く点にある。固定相場制であれば、常に外国為替通貨のレートが一定であるため、どんなに両替しても得することもなければ損することもない。(実際には手数料がかかるためマイナスになる。)


 しかし、変動相場制であれば、為替レートは土日を除いては常に変動し続け、取引することによって得する場合もあれば損する結果になる場合もある。そして、変動することで元本割れする危険性がある行動こそが投資であり、同時にそれがリスクである。

為替レートの見通しは不可能?

 

 外国為替レートが変動する要因としては、通貨が使われている国の景気や、インフレ率、賃金上昇率、金融政策などが挙げられる。各レートの「現在の価格」には、そうした情報がすべて反映されていて、マーケットで通貨を取引している参加者の売り・買いがうまくバランスを取っていることで、現在の価格が存在するのである。

 

 「現値」にはすべての参加者の思惑や考えが反映されて現れた結果となっているため、将来の価格を予測することはできない。未来の価格を動かす要因は、これから登場する情報であることから、現時点で把握することなどは不可能である。

 

 誰も未来の相場の状況を予測することはできない。できるとしたら、未来の預言者くらいであろう。たとえ、投資のプロである投資銀行やファンドなどの機関投資家、相場の世界に精通している上級トレーダーであっても、将来を理解することは不可能である。

 

 こうして、外国為替通貨の取引においては、リスクとリターンの期待値が同じである「ゼロサムゲーム」なのだ。リターンとなる利益を狙うためには、それ相当のリスクを容認しなければならない。もし、1万円の利益を試みるのなら、1万円の損失が発生する危険性を理解して行なうしかない。

 

 また、短期売買であっても長期運用であっても、リスクがあることには変わりない。誰にとっても、将来的に売買差益でリターンを得られるかは分からない。たとえば、米ドル/日本円で「買い」から入って米ドルを保有しても、いつまでも円安が続くわけがない。絶対に、いつかは損失を被る日が来る。

 

リスク管理で耐える

 

 外国為替通貨の取引を通じて投資を行っていくのであれば、リターンに見合ったリスクを許容する以外に方法はない。もし、リスクに耐えられないと考えているのであれば、決して投資活動に踏み切るわけにはいかないだろう。

 

 しかし、リスクを抑えることなら可能である。リスクを制限すれば、大切な元手となっている資金をなるべく減らさないようにすることができる。すなわち、損失によって受けるダメージが小さくなるという意味だ。

 

 リスクを限定するための手段としては、「分散投資」というやり方が挙げられる。さまざまな投資対象を保有することで、一度に大損する危険性を分散できる。そうして、大切な資金を一度に失うことなく、同時に利益を期待することが可能になるのだ。

 

 ただし、「リスクがゼロ」になるわけではない。あくまでも損する可能性を下げる方法に過ぎない。為替取引を通じてリターンを狙うには、どうしても「元本割れ」を被る場合を避けることは絶対に不可能なのである。