人間は株取引やFX、先物、CFDといった投資に向いていないのか。資産運用に参加しても、全然儲からない場合、「自分は投資活動には向いていない」と考えてしまうこともあるだろう。だが、こうした思いは本当のものなのだろうか。
結論から言うと、人間は投資には向いていない存在である。株式売買やFXトレードをはじめとする投資や投機を行う場合、どうしても「プロスペクト理論」という原理に基づいた心理に左右されたトレードとなってしまうことが多い。これは、損する傾向を作り出す原因にもなる場合が少なくない。
プロスペクト理論とは、含み益が発生すると、その金額がたとえ少ないものであってもすぐに利食いたいと考える他方で、含み損が出ると、さらにリスクを受けてでも失うだろう金額を取り戻そうという心理が働く人間の傾向を表した、行動経済学という学問で知られている原理である。
プロスペクト理論のありのままに投資を行ってしまうと、「損小利大」ではなく、「損大利小」型の取引スタイルになってしまう。そして、こうした心理があるために、人間は投資には向かないといえる根拠なのだ。
しかし、それでもありのままの心理に左右された状態で、株式売買やFX取引に参加することは、決して良いことではない。プロスペクト理論のままにトレードを行ってしまうと、自然に負けやすい状況の中で資産運用を行うことにつながる。
人間のデフォルトで存在する心理には、投資で必要な行動を妨げるような心理がある。そもそもの人間のつくりが、負けやすいようにできているのだ。そのため、投資で勝てるような人になるためには、まずは心理を矯正するのが重要となる。
投資に反した心理を持っているからといって、お金を賭けて株やFXをあきらめるのはもったいない。事実、多くの人々が投資で利益を稼ぎ出そうと努めている。また、実際に世の中には投資で成功している人も多い。そこで、成功者と同じような心理状況を作り出すことが求められるのだ。
投資で負けやすい体質や考え方を見直し、収益が出るような勝てる心理になるように努力することで、成功を収めている人のように投資に向いている人になれるのではないだろうか。