日本で急速に利用者を増やしているミラートレーダーなどのFXの自動売買ではストラテジーを複数同時に稼働させる「ポートフォリオ運用」が好ましいといわれている。
1つだけのロジックまたは通貨ペアに頼ってしまうと一度に大きな損失を出すおそれが大きくなるということで、2つ以上のストラテジーを選んでリスクを分散させることが重要であることは事実。
しかし、ポートフォリオに取り組む種類の数が多すぎても問題が新たに発生し、決して良い方向にはいかない。具体的に言うと、5つよりも多くのストラテジーを同時に運用するのはできるだけ避けたい。
丁度良い数といえば、3,4つではないだろうか。これくらいであれば、リスクを1つのストラテジー・通貨ペアに集中させることを防げる一方で、ポートフォリオの管理にもしっかりと目を向けることができる。
少なすぎてしまうと、そもそもリスクが一極集中してしまう。仮に、運用している唯一のストラテジーで何らかの理由で巨大なドローダウンが発生した場合にはどうなるか。
自分の大切な元本である証拠金の多くを失う結果となり、強制ロスカットの対象にもなりかねない。一度巨大な金額の元手を吹き飛ばしてしまえば、FXのみならずあらゆる投資活動を通じて利益を獲得するのが困難になる。
というわけで、まずは2つ以上のストラテジーによるポートフォリオ運用を確立して、リスクの一極集中の原因は作ってはいけない。
一方、運用するストラテジーの種類の数が多すぎた時の問題点として、資金管理の質の低下が出て来る。チェックリストの確認を行う時を例に挙げる。チェックするべき項目が多くなれば、1つの項目に費やす時間が減る。
FXの自動売買も同じであって、使うロジックの数が多ければ、1つ1つのストラテジーの運用成績にじっくりと目を通さなくなる可能性が高まる。
そうなれば、ポートフォリオの中のストラテジーのどれかでドローダウンが許容範囲を超えて発生していたとしても、その状況に気が付かずに放置することになる危険性が出て来る。
こうした理由から、ポートフォリオ運用にて稼働させるストラテジーの種類数は少なすぎても多すぎてもいけないのである。私の意見として、上限は5つだ。6つになると対応しきれない。初めはできたとしても、次第に管理が疎かになりやすい。
3つくらいのストラテジーを同時に使うのが最適であるが、それらをいい加減に選ぶという行動に出るのもダメである。
収益ランキングや過去の実績などのデータを参考にしながら、何からの明確な根拠に基づいてのみストラテジーを厳選して選択することが、FXの自動売買で利益を上げるためには欠かせない。
ポートフォリオの作成はとても大切な作業なのは事実だ。しかし、投資の目的とは「利益を儲ける」ことであり、唯一の目的であるといってもよいだろう。
自動売買を通じてお金を稼ぐためには、プログラム選定とリスク管理を両立しなければいけない。これらができてこそ、安定した収益を獲得できるようになる。