リピート系自動売買とは、一定の値幅ごとに新規発注と決済注文を繰り返し行っていく仕組みのシストレのことを指す。IFD・OCO注文を連続して行うようになっているものがこれに当てはまる。
FXのシステムトレードの中でも最近は「リピート系」の自動売買が人気を獲得している。ミラートレーダーなどの高度なテクニカル指標を駆使したストラテジー型のものがこれまでは人気上昇し続けてきたが、このところは陰りを見せ始めている。
実際、リピート系の自動売買を取り扱い始めているFX会社は増える一方、ミラートレーダーなどのストラテジー選択型のシステムトレードをサービス終了する業者が続出している。この傾向からもいかにリピート系の評判が良いのかが理解できる。
ループイフダン | トラリピ | iサイクル注文 | トラッキングトレード | |
スプレッド(USD/JPY) | 2.0銭 | 4.0銭 | 1.0銭 | 0.3銭 |
手数料 | 無料 | 10-50円 | 20円 | 200円 |
最低取引数量 | 1,000通貨 | 1,000通貨 | 1,000通貨 | 1,000通貨 |
通貨ペア数 |
24通り |
11通り | 24通り | 24通り |
損切り | 設定 | 設定 | 自動も可 | 自動も可 |
取引総コスト | ◎ | × | △ | × |
スプレッド幅と手数料を合わせた総コストを比較すると、アイネット証券のループイフダンが一番最強であることがわかる。とにかくコスト面で優れていて、短期売買には最適なFX会社といえるだろう。
米ドル/日本円の場合、ループイフダンでかかるのは片道あたり2.0銭のスプレッドのみである。他社では別途手数料を取る業者が多い中、アイネット証券ではスプレッド幅だけが取引コストになるため、FXの自動売買を行うにあたってどれくらいの負担が生じるのかが容易に把握できる。
最低取引数量は1,000通貨となっていることに加えて、ポジション数の代償を問わずスプレッドが均一である。他社では、取引数量が少ないと手数料などが割高になるようになっている例もあることを考えると、かなり良心的な条件になっているといえる。
特に50pips未満の設定でリピート系のFXの自動売買を行う場合、スプレッドや手数料の大きさによる影響が出やすい。一度に狙う値幅が小さければ小さいほど割高になる。さらに、それを何度も繰り返せば累計で発生するコスト面の金額はかなり大きな数値となる。
ミラートレーダーなどのストラテジー型のFX自動売買では、取引回数が少なく一度に50pips以上の値幅を狙うロジックが多く、そうしたところではスプレッド幅や手数料による負担感は小さい。それに比べると小幅に売買を繰り返すリピート系の自動売買では負担感は大きいというわけだ。
ループイフダンではスプレッド幅が小さくて別途手数料が一切ないということで、こまめに売買を繰り返す50pips未満の取引にはかなり向いている。スキャルピング、あるいは1日に何回も取引をするのような自動売買に取り組みたい人には大きなメリットであると判断できる。
FXのリピート系自動売買において通貨ペア数が多いのは、外為オンラインのiサイクル注文とFXブロードネットのトラッキングトレードである。いずれも24種類取り揃えていて、メジャーな通貨ペアだけではなくマイナーな組み合わせのものまで利用することができる。
日本国内ではクロス円の通貨ペアを取引する人が多いが、上級者となるとマイナーな通貨ペアにも手を出す人は少なからず存在する。1日に動く値幅が大きいのが特徴であるため、ハイリスク・ハイリターンであるのは間違いないが、大きな金額の利益を獲得できる可能性もあるというのも間違いではない。
別途かかる手数料については、どの通貨ペアにおいても均一料金になっている。したがって、取引コストの面でもマイナーな通貨を取引することに特に大きなデメリットはない。少しスプレッド幅が多くくなる程度である。
リピート系の自動売買においても損切りの機能は付いているところが多い。ループイフダン、トラリピ、iサイクル注文、トラッキングトレードの4つではすべてで含み損を自動的に決済して損切りするための機能が搭載されている。設定がONになっていれば、放置したとしても大損という最悪の結果は事前に防げる。
例えば、iサイクル注文の場合は「想定変動幅」という設定項目がある。これを100pipsに設定すると、保有しているポジションにてもし100pipsを超える含み損が発生すると自動で損切りを行ってくれるようになる。
iサイクル注文ではさらに、損切りの機能である「想定変動幅」を設定した時のバックテストも行える。対象とした期間の中で損切りが実行された回数がいくつあるのかがわかる。例えば、100pipsの想定変動幅を実行した場合、過去12か月の間では何回それが発動されるほその含み損が出たのか、バックテストから理解できる。
ループイフダンやトラリピにも損切り機能がついている。一番高機能なツールであるのは外為オンラインの「iサイクル注文」であると考えられるが、こちらもまた最大ポジション数や評価損の金額に上限を設定することで事前にリスクを最小限に抑えることができるようになっている。