FXのシステムトレードの中でも「リピート系自動売買」と呼ばれるタイプのものがあるが、その中でも自由度が高くて自分で好きなように値幅を設定できるようなカスタマイズ性が高いFX会社はどこなのか。
あらかじめ設定された一定の値幅ごとに取引を繰り返すというシンプルな手法のFX自動売買であるが、これを取り扱っているFX業者は複数ある。「トラリピ」や「ループイフダン」、「iサイクル注文」、「トラッキングトレード」などがこのタイプに分類されるシステムトレードだ。
仕組み的には同じであるものの、中身はそれぞれで大分異なる。自由度が高くてカスタマイズ性に優れているものもあれば、そうではないものもある。今回はそんな自由度の高さの点でリピート系の自動売買を比較する。
FX会社 | 値幅設定が自由か? |
トラリピ(マネースクウェア・ジャパン) | できる |
iサイクル注文(外為オンライン) | できる |
トラッキングトレード(FXブロードネット) | できる |
ループイフダン | 不可、選択制 |
値幅を自由に設定できるのは、トラリピ(マネースクウェア・ジャパン)・iサイクル注文(外為オンライン)・トラッキングトレード(FXブロードネット)の3つである。
いずれも自分で好きなように値幅(pips)を決められるようになっている。50pipsや100pipsのように切りのいい数字でもいいが、37pips・68pipsのように霧の悪い数値にもできる。設定項目は「想定変動幅」といった用語になっている。これを自由に設定できるのが上の3つのリピート系自動売買である。
何pipsにしようか考えられるのが、これらの3種類というわけだ。また、円高時にはトラップする値幅を大きくして円安時には値幅を小さくするということもできる。円安になるとレートが上がるため必要となる証拠金の金額も大きくなる。そのため、拘束される証拠金の金額によって狙う値幅の大きさを変えるという戦略も実行しやすい。効率よく資金を運用しやすいのも確かだろう。
また、トレール注文も利用できる。FXにおけるトレールとは、値幅の変化に合わせて逆指値の基準価格を変動させる仕組みの注文であるが、トレンド発生時にその方向に合わせて逆指値の基準を追従させることでより大きな利益を得やすくできる。
中でもトラリピについては、「決済トレール」という機能が付いている。レンジ相場の状態では一定の値幅で取引を繰り返すように設定しておきながら、トレンド発生時にはトレール注文形式にして利食いの基準価格を変化させるというやり方が実践できる。たった1回の取引で利益を伸ばせる手段が付いているというわけだ。レンジのみを狙うことももちろん可能であるが、決済トレールを利用すればトレンドをも効率よく利用して資産を築ける。これもまた、自由度が高いことによるメリットといえる。
一方、ループイフダン(アイネット証券)に関しては選択型システムトレードと同じくただ選ぶだけしかできない。自由に値幅を設定することができないため、細かく値幅(pips幅)を決めることが残念ながらできない。そのため、自由度の面ではトラリピ・iサイクル注文・トラッキングトレードには劣ってしまう。トレール注文の機能も付いていない。これは特にトラリピ(マネースクウェア・ジャパン)ならではの特徴なのだ。
・自由度を重視するなら、トラリピ・iサイクル注文・トラッキングトレードの3つのいずれかがおすすめ
・特にトラリピ(マネースクウェア・ジャパン)はカスタマイズ性に優れている
・ただし、コスト面が大きい傾向にある
今回取り上げているFXの自動売買ツールはいずれもリピート系であり、仕組み的にはどれも似たり寄ったりである。しかし、具体的な機能やサービス内容はそれぞれで違いがある。
それに合わせてスプレッド幅や手数料の値段も異なる。さまざまな機能が付いていれば、その分取引コストが高い。どちらを重視するかは、FX投資家によって違ってくるが、狙う値幅の大きさが小さければコスト面を重視するのが重要となる。