FX取引でより儲かるようなルール手法を編み出そうとすると、多くの人らは高度で複雑なテクニカル分析こそ収益力が高まる方法であると考えるだろう。しかし、シンプルなものが一番ベストではないかと私は考える。
シンプルな手法とは、ローソク足とテクニカル分析でば指標を1つ程度くらいしか使わず、しかもエントリー・エグジットの基準がとてもわかりやすいものを指す。
ローソク足というと、ただチャート上の値動きを表す四角い箱というイメージを持っている人は多いのではないだろうか。そして、ローソク足は何の役にも立たない存在であると思うだろう。
また、テクニカル指標を1つだけ使ってしまうと、制度がきわめて悪くなり、こちらも利益を得ることに対して何の活躍もしないだろうと想像するのではないだろうか。
そのどちらも間違った考えである。確かに、ローソク足単体やテクニカル指標単体でFX取引に臨んでしまうと、収益が伸びないだろう。しかし、その2つをただ組み合わせるだけで、収益が伸びて儲かる可能性を格段にアップさせることができる。
ローソク足とは、単なる値動きを表す四角い箱ではない。値動きの方向(買いor売り)とその値動きの大きさを1つの箱で表す指標だ。縦に長ければ長いほど短時間で大きく値動きが起こったことを示す。
ローソク足が数個並んでいるだけで、相場が一方的なトレンドに入っているのか、それとももみ合いが起きているのかが視覚的にわかる。
図の場合、赤のローソク足が4,5つ並んでいるのであれば、それは上昇トレンドに入っていることを示す。逆に青のローソク足が並んでいるのであれば下降トレンドというわけだ。赤と青が入れ混じっているのであれば、それはもみあい状況となっているといえる。
移動平均線は、サポート&レジスタンスの役割を果たす場合が多い。上昇トレンド発生時には、移動平均線が一時的な下落の下限となる例がよくある。下降トレンド時ならその反対だ。
今回紹介するシンプルな手法は、これらの性質を持ったローソク足と移動平均線を組み合わせたルールである。移動平均線については、100本といった長期的な数値に設定するのが好ましい。
まず、日足チャートで長期的なトレンドの方向を確認する。移動平均線MA(100)が上昇方向になっていて、ローソク足のほとんどが移動平均線の上にあるのであれば、それは上昇トレンドになっていることを表す。逆に右下を向いていて、ローソク足の多くが線の下に位置するのであれば、それは下降トレンドであるということになる。
次に4時間足チャートを確認する。この場合も、図2が図1と同じ方向を向いているように、日足の場合と同じようなトレンドになっているのであれば、いよいよエントリーのタイミングを決める手順に移る。
もし、2つの複数の異なる時間足で違った方向を向いていたり、どちらか一方でレンジ相場になっているのであれば、エントリーを断念するのが好ましい。あくまでも。ともに一致した場合に限る。
一致していることが確認できたら、あとは「押し目買い」という手法を使っているだけである。上昇トレンドの場合、一時的に価格が下落して移動平均線MA(100)に接触したら、あとはローソク足の形を見るだけだ。
そして、ローソク足が接触後に再び買い方向に動いていることを示す色に変わり、移動平均線前後で下落方向への勢いが止まったら、直ちに「買い」で成行注文を発注する。これで、エントリーの手順は終わりである。
ただし、このシンプルな手法を実行したとしても予想が当たらずに損失の方向へと値動きが起こってしまう場合も少なくない。図2の例でいえば、緑の丸2つの後の出来事がこれに当てはまる。
図2のチャートで以後も同じ手法を使った場合、押し目買いしても相場の大きな下落がその後起こっているため、含み損が拡大する結果になった。したがって、何もしないでポジションを持ったままにすれば、損失が膨らむばかりとなった。
そうならないためにやることが「リスク管理」である。具体的にいうと、損切り注文の発注だ。もし予測に反する値動きが起こってしまった場合には、放置するのではなく、損切りしてポジションをゼロにする手順を行うことが求められる。
損切りを行えば、それだけ損失を認めることになるのは事実だ。しかし、FXで大切なのはいかに損失を増やさないかだ。出てしまったマイナス収支の結果によるダメージを小さく抑えてこそ、以後回復できるほどの資金的な余力を残すことが可能となる。
余力が残っていれば、次回以降の取引で利益を儲けるチャンスが得られる。そして、勝ち目のある取引を続けていくことによって、少なからず収益を手に入れられ、FXにおける勝ち組の一員になれるのだ。
これは、たとえシンプルな手法を使った場合でも同じである。リスク管理もまた極めてな手法であり、手法の一部として考えなければならない。