デイトレードという手法は儲からないという説が有力である。瞬間には収益率が高まるが、長期ではほとんど稼げないで終わってしまう。勝てない法則であるとして、問題のあるやり方なのだろうか。
「デイトレード」とは、FXや株式投資、先物取引において、新規エントリーしてポジションを持ち始めてから決済するための流れを1日で行うという投資手法である。その日のうちに手じまってしまうため、夜をまたいで取引することはない。「宿泊」ではなく「日帰り」のようなやり方といえるだろう。
デイトレードを投資における手法として用いると、あまり長い期間に渡ってポジションを放置しない点から、リスクが小さいと主張する人は少なくない。デイトレを支持する人は一定の数は存在する。
しかし、逆に儲からない手法であるという意見も根強く残る。なぜデイトレードには問題があるのか。それは、売買の判断を行う際にかける時間が少ない点である。相場の分析や検証に手間をかけることなく、瞬時にポジションを取り始めてしまう行動に出るため、利益が上げにくいのである。
FXや株式投資、先物取引においては、新規にエントリーする場合には、本当にポジションをそのタイミングで張ることで収益を勝ち取れるのかと、マーケットの動きを分析して、未来の値動きを予測しなければならない。
だが、デイトレードだと、その分析に時間をかけないために、マーケットの検証が不十分になることがある。そして、十分な手法に基づいた分析を行わずに実践に踏み切ることで、儲かる確率が下がり、本当に稼げない結果になってしまうというわけだ。
マーケットの値動きに関する分析・検証が不十分になるきっかけとなる手法だからこそ、デイトレードという手法は「ダメ」なのである。
どうして、デイトレードという手法だと、マーケットに関する分析と検証が不十分になってしまいがちになるのか。それは、瞬時にエントリーの決断が迫られる手法であるからである。長く時間をかけてしまうと、絶好のタイミングを逃すことになる可能性が高まる。
デイトレの場合、エントリーから決済まで数時間で行うため、1回あたりの取引で目標とする収益幅(pips)の大きさは小さい。したがって、約定のやタイミングの良さが重視される。少しでもタイミングがずれるだけで、損益成績が変わってくる。
したがって、マーケットに関する分析や検証を行って今後の値動きをじっくりと考えている余裕がないのが、「デイトレード」という手法の特徴なのである。時間的に余裕の少ないやり方である点が、不十分な分析と検証に至る理由であることは間違いないだろう。
マーケットの分析を行わず、相場と自分の手法に気を配ることに十分な時間を費やさない行動によって、実際の投資行動はとてもいい加減なものとなる場合が多い。自分の本来の手法ではエントリーするべきではないところを、その場ではエントリーするべきタイミングだと判断して発注に踏み切る。
こんなやり方によって、実際に利益が上がる確率よりも損する確率の方が大きい状況の中で相場に手を出すことにつながってしまうのだ。そして、稼げる可能性が低くなる結果、本当に儲けられなくなってしまい、結局は投資で失敗してしまうのだ。
投資家自身にとっては、その時の自分のやり方は、完全に手法に基づいて行った正しい方法であると思うだろう。しかし、実際にはそうなってはなく、誤った判断を下すことが多い。
誤ったやり方でマーケットでポジションを保有してしまう行動に出やすいために、「デイトレード」という投資手法を用いると、実際のトレードを客観的に見ると「いい加減」な取引という結果になるというわけである。