インヴァスト証券の「トライオートETF」が今新たな金融商品の自動売買ツールとして注目を集め始めている。プログラムが勝手に取引してくれる仕組みはシステムトレードとも呼ばれるが、これまではFXのみであった。
2016年4月25日から、インヴァスト証券においてトライオートETFがリリースされたことによって、この流れが変わった。上場投資信託であるETFでも自動売買ができるようになり、為替通貨だけが対象であった時代は終わったといえる。CFDであるため、レバレッジもかけられる。
トライオートETFでは手動で取引することもできるとはいえ、何と言っても「オートパイロット注文(AP)」が目玉であるといえる。このオートパイロット注文の機能を使うことで、自分で立てた戦略、もしくは一覧の中から選んだ戦略によって取引を自動化させられる。
新規注文から決済注文まで自動でロジックが行ってくれる。自分で直接取引を発注させる手間が省かれるのが大きなメリットである。これにより、感情に左右されない。一貫した手法を用いられる環境になっているのも評判の長所だ。
一番のポイントとしてば、自動売買が可能な点である。従来の上場投資信託においては手動で取引するしかなかった。上級投資家で資産運用に慣れた人であればどんどん利益を上げることは可能であるが、初心者の場合には決して簡単ではない。
しかし、オートパイロットを用いた自動売買にすれば投資手法となる戦略に迷うことはない。ロジックをトライオートETFで簡単に組み立てるだけで自動的に取引してくれるため、取引の実行に躊躇するなど、感情に左右されるということがない。
さらに、自動売買のため自分が寝ている夜中や仕事などで外出している日中の時間帯であっても休まず取引のタイミングをうかがってくれる。いつまでもPCやスマートフォンの前でじっとタイミングを見計らうという作業が必要ない。
時間に拘束されずに気軽にETF取引に参加できるところもまた、オートパイロット注文で稼働している「トライオートETF」ならではのメリットであるのは間違いない。
自動売買となると手数料がかかるというイメージが出来上がるのではないだろうか。確かに売買手数料が存在するのは疑いのない事実である。しかし、トライオートETFでは手数料は発注代金の0.3%だけである。10万円分の取引をしても負担する金額は300円にとどまる。
従来の現物株式や投資信託を取引する際にかかる手数料とほとんど同じ水準である。これにより、短期売買の際にもコスト面による影響は少ない。デイトレなどの手法にも問題ない金額であるのは確かだ。
手動で行う裁量取引の場合には、トライオートETFでは手数料は無料である。発注代金の0.3%という手数料が発生するのはあくまでもオートパイロット注文を利用した時だけである。つまり、自動売買の時だけ手数料が発生するというわけだ。
自動売買、あるいはシストレという単語を耳にすると高額な費用がかかるイメージが思い浮かぶかもしれないが、現実はかなり安いのはトライオートETFの特徴ともいえるのではないだろうか。
トライオートETFで取り扱っている銘柄としては、TOPIX連動型上場投資信託や日経225連動型上場投資信託などの日本市場の株価指数、SPDRR S&P 500R ETF、WTI原油連動ETF、SPDRR ゴールド・シェアといった米国市場の株価指数や金・原油などのコモディディ―の価格に連動したETFが挙げられる。
FXにおける為替通貨とは違った値動きをするものも少なくない。したがって、FXでは体験できないような自動売買ができる。
レバレッジに関しては、個人・法人ともに最大5倍まで利用することができる。価格の変動が為替通貨と比べると大きい傾向にあるため、25倍であるFXよりは小さい。
なお、トライオートETFを申し込んだ直後はレバレッジはゼロ(1倍)になっている。レバレッジを用いた証拠金取引を行うためには、別途申請する必要がある。これもまた、FXとは違う点だ。「レバレッジなし」から「レバレッジあり」に変更する差には審査がある。