ループイフダンで両建てした結果について。勝てる可能性が上がるといわれている手法だが、残念ながら損失の方が利益を上回るリスクも出てくるのは確か。
片方だけのポジションにするのが好ましいのか、それとも両建てによる買い・売りのどちらの方向にも同時にポジションを持つのが良いのか。
これはループイフダンに取り組む人によって大きな疑問になるだろう。一定の値幅ごとに売買を繰り返していくFXの自動売買ならではの特徴でもある。
ループイフダンで両建てした場合の利益に上がりやすさは以下のようになる。
基本的にループイフダンのロジックでは一定幅ごとに利益の確定を行っていくため、どんな環境でもプラス収支が出る。しかし、それ以上に含み損が大きくなることがある。これがFX上のリスクに当たる。
相場の状況 | 収益性 | 含み損 |
レンジ相場 | 効率良く利益が上がる | 限定される |
トレンド相場 | 利益が出にくい | 拡大する |
両建てのデメリットとして、必要となる最低資金が片方だけの取引の時よりも単純計算で2倍必要になるという点がある。
参照:【ループイフダン】最低資金の目安とは!? 元手10万円で十分?
アイネット証券では証拠金は片方分で問題ないが、想定される損失のリスクを考えると、実際には多めの元本が必要になる。
そんな欠点に加えて、もう1つの痛手になるのが両建てで損しやすいトレンド相場である。含み損が拡大する原因になり、安全な手法とは言い難い。
両建てという手法が特に強さを見せつけるのが一定のレンジ内で相場が値動きをしている場合である。レンジ相場、あるいはボックス相場においては上下運動を繰り返すことで、買い・売りのどちらの方向からも利益を獲得することができる。
しかも大きく値上がりもせず、値下がりもしない条件のもとでは、含み損も大きくならない。1つのポジションで狙っている方向とは反対に相場が動くと評価損として含み損を発生させるが、レンジ相場ではそれが限定される。
上下に動くことで含み損は停滞する一方で、利益が出る決済注文がいくつも約定される。ループイフダンでの両建てを通じてどんどん収益が儲かるという環境になる。
外国為替市場は世の中でビッグニュースがあると大きく値動きする傾向がある。レンジ相場はそうした出来事がない場合だ。
つまり、世間が安定している場合ならループイフダンにて両建てが利益が伸びる時といえる。
一方のトレンド相場になった場合は両建てが力を発揮できない場面となる。一方的に相場が流れている場合は、片方のみのポジションの方が好ましい。
上昇トレンドになっている場合、買い取引では確かに利益を積みあがていく。しかし、売り取引はポジションを持つたびに含み損を拡大させていく。
損切りの設定がある場合、新規注文が行われるとその後含み損が決済されて確定損失が増えていく。100pipsの損切り設定であれば、相場が想定方向とは反対に流れるごとに1,000通貨取引だと1,000円失っていく。
損切りなしの場合、確定損失はある程度のトレンドでも出ない。しかし、含み損はひたすら増えていく。両建てなら片方では利食いされても、そう片方で含み損が拡大して、相殺しても実質的にマイナスになる。
想定しているレンジ内でのトレンドであれば問題はないが、その範囲の外へ出てしまうと状況はかなり悪化する。元本割れのみならず、大損して退場を余儀なくされる可能性が高まる。
ループイフダンで両建てするのが好ましいのはレンジ相場の場合なのだ。