リピート系の自動売買システム「ループイフダン」と「トラリピ」を比較する。ループイフダンとトラリピにはどんな共通点があり、違いはどこかを比較しながら説明する。
どちらにも、メリットとデメリットが存在し、長所を発揮できる点とできない点がある。トレードスタイルによって、どんな人におすすめなのかは異なる。
ループイフダン | トラリピ | |
業者 |
アイネット証券 ひまわり証券 |
マネースクウェア・ジャパン (M2J) |
共通点 |
一定の値幅ごとにIFD注文を繰り返すシステム。 「リピート注文」ともいう。 |
|
相違点 |
指定された値幅の売買システムを選ぶ。 | 自分で値幅を指定する。 |
スプレッド 米ドル/円 |
2.0銭 (アイネット証券の場合) |
4.0銭 |
2つの自動売買ツールは、仕組み的にはかなりよく似ている。一定の値幅ごとに新規と決済の注文を繰り返し出していく単純なシステムである点では同じであり、コツコツと少しずつ利益を積み上げていくような制度になっている。
一方、表から読み取れるように、ループイフダンとトラリピでは違いがいくつかある。自分で設定できる条件の内容や取引コストの大きさには違いがあり、両者にはそれぞれの長所短所が存在する。
ループイフダン、トラリピ双方とも、「リピート系」と呼ばれる自動売買の一種であり、一定の値幅ごとにIFD注文(新規注文と決済注文)を繰り返し行っていく仕組みとなっている。細かい値幅ごとに利益を決済していく仕組みになっていることから、リスクを分散する機能を持っているといえる。
ループイフダンの場合、一定の値幅ごとにIFD注文を繰り返す売買システムは、あらかじめ業者側が用意している売買システムを利用者が選ぶという方法を採っている。各売買システムには、売買の方向(買いor売り)と値幅(15pips、25pipsなど)が指定されていて、利用者は一覧の中から選ぶことで自動売買が始まる。
トラリピの場合、一定の値幅ごとにIFD注文を繰り返す売買システムは自分で指定する仕組みになっている。利用者は、売買の方向(買いor売り)を選び、さらに自由に値幅を指定することができる。値幅を任意の数値「pips」を入力する。
ループイフダンとトラリピの最大の違いは、値幅を自由に設定できるかできないかの違いであろう。ループイフダンではあらかじめ業者側が値幅をいくつか指定していて、利用者はその中から値幅の数値を選ぶシステムである。その一方でトラリピは、利用者が自由に値幅を指定できる。その点から、トラリピの方が自由度の面では一歩リードしている。
ループイフダンの開発会社はアイネット証券である。ループイフダンをアイネット証券で利用した場合のスプレッドは固定制で、米ドル/日本円で2.0銭、ユーロ/日本円で3.0銭である。
このスプレッドの値は、アイネット証券の「シストレi-NET」のすべての売買システムと共通の値であり、ループイフダン以外の売買システムを利用した場合でも同じスプレッド幅である。
トラリピの場合、スプレッドは米ドル/日本円で4.0銭、ユーロ/日本円で5.0銭となっている。スプレッドは原則的に固定であり、時間帯のよってスプレッドの値が変化することはない。
スプレッドでは、ループイフダンの「アイネット証券」が優勢である。特に、米ドル/日本円のスプレッドでは2倍の差があり、トラリピでの1回の取引コストは、アイネット証券のループイフダンの2倍のコストになってしまう。
スプレッドが大きいと特に小さな値幅で売買を繰り返す戦略を取る場合に都合が悪い。そのため、スキャルピングのような戦略を視野に入れているのであれば、アイネット証券のループイフダンの方が好条件となる。
なお、両者ともにスプレッド以外の追加的な取引コストは一切かからない。あくまでも、提示されるレートの差だけだコストとなる。視覚的にわかりやすいのは双方ともにメリットであるのは確かだろう。