マネックス証券のFX PLUSの「オートレール」において、手数料はいくらかかるのか。通常のFXだとまったく発生しなく、取引コストとして利用者が負担するのはスプレッド幅のみとなっている。
しかし、自動売買の機能であるオートレールになると、手数料というコストがスプレッド幅に加えて発生する。従来の裁量トレードと比べると、コストが割高となっている。
ただし、大口取引の場合には手数料はかからない。あくまでも、小さなロットで取引する場合に、手数料の負担が求められる。
手数料があるリピート注文型のシステムトレードとしては、マネースクウェア・ジャパンの「トラリピ」、外為オンラインの「iサイクル注文」、FXブロードネットの「トラッキングトレード」が挙げられるが、マネックス証券が提供するオートレールもまた、これらと同じ部類に入る。
マネックス証券の「オートレール」では、1万通貨未満の取引に限って手数料が発生する。1万通貨以上であれば、完全に無料となる。つまり、小さな金額しか取引しない人が、手数料の対象となる。
負担額は、1,000通貨あたり片道30円、往復60円となっている。2,000通貨の場合は、片道60円、往復120円の手数料がかかる。5,000通貨となると、150円/片道、300円/往復となる。1,000~9,000通貨までは、手数料は取引する通貨量に比例する。
対象となる通貨ペアが基本的にすべて同じだが、南アフリカランド/日本円に限っては10万通貨未満で手数料がかかる。金額は1万通貨あたり片道30円である。
南アフリカランド/日本円の1万通貨とは、他の通貨ペアでは1,000通貨と同じであると考えてよい。1,000通貨単位ではなく、1万通貨単位による取引となっている。そのため、手数料が無料になるのは10万通貨以上という条件になっている。
大口の取引となるとオートレールの手数料が無料になるということで、小口トレーダーにとってはやや不利な環境といえる。1回の取引で狙う値幅を大きめに設定することが求められる。
新規から決済までの値幅が数pipsであるスキャルピングのような手法はおすすめできない。1,000通貨単位ではほとんど利益が出てこない。プラス収支でもほとんどが取引コストとして消えていってしまう。
もし手数料が片道あたり30円/1,000通貨かかる1,000通貨単位による取引を行うのであれば、可能なら1回当たりの取引で50pips以上の値幅を狙うよう設定するのがよいだろう。
1,000通貨 | 10,000通貨 | |
オートレール | 30円 | 無料 |
トラリピ | 50円 | 30円 |
iサイクル・サイクル注文 | 20円 | 200円 |
ループイフダン | 無料 | 無料 |
オートレールの30円という手数料は、他社と比較した場合でも、決して高いという水準ではない。他社でも数十円の追加的なコストがかかる例が多い。
マネースクウェア・ジャパンのトラリピでも、1万通貨未満では50円の手数労がかかる。1万通貨以上でさえ、片道あたり30円となっている。
外為オンラインの「iサイクル注文」、「サイクル注文」においても、1,000通貨あたり片道20円の手数料がかかる。こちらは、大口取引においても値段は同じである。1万通貨でも、20円/1,000通貨ということで、片道あたり200円の手数料がかかる。
マネックス証券のFX PLUSの「オートレール」と比べると、少額取引の場合は外為オンラインの方が割安だが、1万通貨以上となればオートレールの方が優勢であるといえる。
一方、オートレールと同じリピート注文型のシステムトレードであるアイネット証券の「ループイフダン」では、手数料は一切取られない。取引高がいくらであっても、負担するのはスプレッド幅のみとなっている。
オートレールよりも全体的に負担する取引コストが割安となっている。スキャルピングのような手法を求めるのであれば、ループイフダンの方が都合がいい。