FXの自動売買であっても失敗する人のよくあるパターンと原因について迫る。どういった理由で参加者の多数派の人々は大損する元手資金の大部分を減らしてしまう結果になるのか。
システムトレードでさえ敗北を喫してしまう最大の理由とは、事前に想像していたことと実際の現状が異なる点ではないだろうか。その代表は、「楽して稼ぐ!」みたいな表現されるだろう。
FX自動売買と耳にすると、誰でも容易に利益を儲けることができる感じがする。実際に、より簡単に為替取引を進めるためにこの分野に手を出す人も多い。
しかし、そんな目的に反して、運用成績が思うように良いものが出ず、大損して失敗する例が少なくない。今回はFX自動売買で失敗する原因のうち、よくあるパターンについて取り上げる。
実際に失敗すた経験を持っている人であれば、これらの原因の全てまたはいずれかに当てはまっていた場合がほとんどである。それだけ、自動売買の失敗には共通する事情なのだ。
自動売買において、失敗の原因となるよくあるパターンとして、これらの4点が挙げられる。ストラテジーと呼ばれる戦略ロジックのプログラムを選ぶ時の行動や、稼働した後の運用管理のやり方に問題があることが、失敗の主な理由となる。
自動売買には、シストレならではの好ましいやり方というものがある。それができなければ、大きな損失を被り、この世界からの退場を余儀なくされることだろう。
もちろん、自動売買ならではのメリットは存在し、裁量トレードと比較して投資手法が簡単であることは間違いない。しかし、やり方を間違えれば、結局は裁量の時と変わらない、あるいはそれよりも悪い結果になる場合も出てくる。
自動売買で失敗する原因となるパターンの1つが、あわててストラテジーを選ぶ行動である。選ぶべきストラテジーを探している間に、収益率が大きいものを発見すると、それ以上深く考えずにすぐさま稼働させる例がよくある。
だが、ただ収益率をランキング化した一覧のトップに登場しているストラテジーが、最も収益を伸ばす可能性のあるロジックであるとは限らない。ランキング順位では上位に遭っても、群前にして短期的に利益が発生しただけである場合も少なくない。
ただ、対象期間内での収益額のランキング・トップに登場することを根拠にするのではなく、損益グラフや統計データを参照する必要がある。慌てることなく、じっくりとロジックを分析してから稼働し始めることが、システムトレードで取引する際には求められる。
検証する作業にある程度の時間をかけてこそ、自動売買で失敗するのを防げるのである。これができない人は、失敗する第1の原因を作り出すことになってしまう。
ストラテジーの検証対象期間を30日(1か月)に設定する人が、自動売買ではかなり多い。多くのシストレ・ツールでは、最初に画面に表示されるものが過去30日分のデータになっていることから、どうしてもそのまま1か月分の実績をもとに、ストラテジー選びに踏み切ってしまう。
しかし、過去30日では短期的な運用実績でしかない。短期的な成績だけを見ると、相場の環境からたまたま得られた結果である場合が多い。普段は低成績でも、30日程度のデータでは大きな収益を出して好成績になることもある。
長期的な実績を見ないと、本当の実力を把握することはできない。だが、短期的な実績を参考にしないために、実際の収益力を知ることなくストラテジーを稼働してしまうのだ。その中でも、検証の退職を過去30日に設定する人が特に多い。
そして、こうした結果、検証期間を短くしていることから、真の収益率が高いストラテジーを厳選できずに、損して失敗に至るのである。
ストラテジーを稼働した後、たとえ予測に反して損失が増えてドローダウンの値が大きくなったとしても、それを放置して次の行動に出ないのも、失敗する原因となる。
ドローダウンを放置することで、さらに損失を被る傾向を容認することになる。たった1つのロジックで損失が巨額なものとなれば、その後システムトレードを通じて利益を受け取るのが難しくなってしまう。
多少のドローダウンについては、どんなストラテジーであっても発生する可能性はある。たとえ、収益能力のあるロジックであっても、多少のドローダウンは損益の誤差の範囲内とみなせる。
しかし、過去2年間といった長期的な期間で発生した最大ドローダウンに達するような大きさまでドローダウンが発生するのは、そのロジックで収益性に乏しいことを示す。したがって、そんな「負けるストラテジー」を止めることが求められる。
一方、失敗組のよくあるパターンとして、それを放置してしまう例が多い。そして、これが稼げない理由となるのは間違いのない事実である。
ドローダウンを放置して失敗する人がいる一方、ほんの少し損失で直ちに他のロジックと入れ替える行動に出る人も少なくない。だが、これもまた、自動売買で失敗する理由の1つである。
長期的な成績で高い収益率が示されていても、短期的に見ると、一時的に損失が膨らむ場合がある。しかし、心理的に少しの損失で他のストラテジーと入れ替えたくなることがある。
こうして、損失をそれ以上出したくない気持ちになって、稼働中のストラテジーを止めて新しいものと入れ替えてしまい、結局本来の収益性の恩恵を受けられないままとなるのである。
こうした、入れ替えが早すぎる理由もまた、過去30日という短期に検証期間を設定するのと同じであり、短期的な出来事にしか目をみけないことが、失敗の理由だ。