日本国内の証券会社やFX業者において、自動売買による取引が禁止されている例が多い。たとえば、オンラインブローカーとして非常によく知られているSBI証券やGMOクリック証券などでは規制されていて、手動での注文のみが認められている。
もちろん、指値・逆指値、トレール注文といった証券会社の取引プラットフォームで直接操作できるような設定は使える。しかし、自分でソフトを自作したり、外部の第三者から提供されたソフトウェアを使ってプログラムによる自動売買は禁止されて認められていない。
このような証券会社は外国資本系ではない純粋な日本の会社に多い。一方、比較的APIトレーディングなどのシステムトレードの普及が進んでいる欧米系の証券会社でが外部の自動売買のソフトの利用が認められている場合が多い。
なぜ自動売買が禁止?

自動売買が禁止されている理由が、サーバーの容量にある。近年は競争の激化によって売買手数料の低下が進んでいるが、その反面サーバーの容量を低く抑えている会社が増えている。
こうした業者では、サーバーへの負荷が小さい手動による取引を大前提として顧客にサービスを提供している。
そんな中で、顧客の一部がサーバーへの負荷が大きい自動売買による取引をはじめてしまうと、最悪の場合は過剰負担によってコンピューターがダウンしてしまう可能性も発生する。
それを防ぐことを目的に、日本国内のオンライン証券では外部のソフトウェアを用いた自動売買を強く規制しているというわけである。
海外の業者はなぜOK?
一方、外資系の業者では自動売買による取引に対応しているところが多い。FXの自動売買ツールの代表格ともいえるメタトレーダー(MT4)を完全に導入している会社もかなり多い。
また、APIトレーディングという種類のシステムトレードを認めているところも多い。これは古くから使われているタイプのプログラムであるが、欧米では広く普及している。
日本よりも自動売買に対する関心が高いことも要因となって、欧米系のオンライン証券の業界全体では自動売買の歴史が長いのが特徴的である。
近年は、日本でもMT4やミラートレーダーなどの自動売買ソフトを使うための口座を用意し始めている業者が増えてきているが、そのほかの外部のソフトウェアの使用に対応している業者は依然として少ない。