トレイダーズ証券の「みんなのシストレ」では2種類の口座が用意されている。1つはMT4(メタトレーダー)であり、もう1つはプログラム選択型のものである。
後者は、かつては「コピートレーダー」という名称だったものである。現在の名称は「システムトレード」でとなっている。
いずれも、FX取引の際の手数料は一切存在しない。したがって、発生する売買コストは取引プラットフォームで提示されているスプレッド分の負担のみとなる。
いくつかの雑誌やインターネット上のブログでは、みんなのシストレに手数料はなく「完全無料で使える」というような言葉で記載されている場合があるが、スプレッド分のコストは存在するため、完全100%無料というのは間違いである。
みんなのシストレのうち、かつて取り扱われていたMT4に関しては原則固定スプレッドとなっていたため、利用者が実質的に負担することになるコストの金額は把握できる。裁量で行った場合も同じである。
「原則」というのは、特に相場の急変動や出来高の乱高下などが発生していない時のことを指すが、原則固定ということで、通常時は常に一定のスプレッドが提示される。
MT4に関しては、チャート分析用のツールとして使用した場合であってもEA(Expert Advisor)という自動売買用のストラテジーを使った場合でも、スプレッドは原則固定制が維持される。
一方の選ぶタイプの「システムトレード」のソフトを用いてFX取引を行った場合のスプレッドは固定ではない。通貨ペアを問わず常に変動する制度になっている。そのため、スプレッド分のコストの大きさを事前に把握することは難しい。
また、具体的な数値についても非公開となっている。そのため、変動幅の大きさもわからないというのが現状である。
とはいえ、ほとんどの場合は一定の範囲内で収まっているのもまた事実である。USD/JPYの場合は、おおむね2.5~4.0銭ほどで推移している。
さらに、そもそもストラテジーを使った完全な自動売買となるため、利用者自身はスプレッドの大きさを把握する必要もないのが実情だろう。
手数料コストに関することよりも、用いるストラテジーの過去の運用成績や現在の損益状況の方がかなり重要である。実績の面の方が気になるポイントとなるのが、みんなのシストレ「システムトレード」の特徴であろう。
FXの自動売買の世界で、主要なツールとしてMT4と「みんなのシストレ」のようなシステムトレード(選択型)の2種類があるわけだが、初めて口座開設をする人にとってはどちらがおすすめとなるのか。
MT4は、国内では高機能チャート分析用の道具として使う人が圧倒的に多い。他の業者ではEAを使った自動売買ができるところがあるが、仮に自動取引をやるにしても、プログラミングの知識やレンタルサーバーが必要になるため、実際問題として参入障壁は大きい。
一方の「システムトレード」については、最初から自動売買を行うことを前提としてツールであり、利用者は一覧の中からストラテジーをクリックするだけという簡単さ、クラウド型でレンタルサーバーがいらないという便利さがあるのが特徴である。
初心者から少額トレーダーのみならず、特に大きな理由がない限りは、後者の「システムトレード」の方を使うのが都合が良く、おすすめではないだろうか。
ところで、入金・出金の時にかかる費用についても疑問を持っている人は多いのではないだろうか。結論を言うと、ここでかかる手数料は以下の通りになる。
入金 | 出金 |
クイック入金サービス=完全無料 銀行振り込み=自己負担 (ATMでは300円前後かかる) |
完全無料、業者側が負担 |
入金に関しては、ネットバンキングによるクイック入金サービスを利用すれば完全無料となる。提携している金融機関からの入金だけにしか対応していないが、この機能を使えば¥0で口座に現金を入れられる。しかも、入金は直ちに反映されるため、手続きを行えば直後からFX取引ができるようになる。もちろん、みんなのシストレの自動売買も利用可能だ。
出金は完全無料である。ここでかかる費用は全額トレイダーズ証券側が負担してくれるため、ユーザーの自己負担は一切ない。これは多くのFX会社に当てはまることではあるものの、われわれ利用者にとってはかなり大きなメリットである。
ただし、出金は手続きしてから即座に行われるわけではない。当日の午後または翌日になって実際に出金される。したがって、すぐに現金がほしいからといって出金の操作を行ったとしても、現金化できるのは次の日になってしまう。