インヴァスト証券のトライオートFXという「半自動売買」ツールの評価とレビューについてを取り上げていく。裁量取引と自動売買の中間的な存在であることで、近年は人気を集め始めている。
評価の利点となる主要なポイントは下の3通りであるが、具体的にどんな点で利用者から高い評価を得るメリットとなっているのか。また、何が欠点であるのかを、各項目ごとにトライオートFXの仕組みを判定していく。
スプレッド | 売買システム | 通貨ペア | ツール | 少額投資 | 人気度 | 総合評価 | |
評価 | A | B | B | S | S | A | A |
「トライオートFX」が高い評価の根拠となっている長所は3つある。もう1つの自動売買である「シストレ24」とは違った利点があり、独自性があるのがポイントとなっている。
トライオートFXは「半自動売買」というジャンルのシステムトレードである。仕組み上は、裁量取引と自動売買が融合したようなものとなっている。注文の発注は売買システムが行うが、発注のシグナルを発するプログラムの戦略を立てるのはユーザー自身である。
ルールを作るのは利用者自身であり、それ以外の部分では、自分で決めた戦略をもとに自動売買を行う仕組みであることから、「半自動売買」と呼ばれている理由である。
また、リピート系の設定ができる自動売買でもある。この点では、「ループイフダン」や「トラリピ」などのリピート系のシステムトレードと似たようなシステムを使うことができる。
コツコツと利益を少しずつ積み上げていくタイプであるため、そういった取引に挑戦したい人にもトライオートFXは大変おすすめの選択型システムトレードであろう。
トライオートFXでは、同じくインヴァスト証券のもう1つのシステムトレードである「シストレ24」のように、ツール面で充実していることで評価が高い。トライオートFXでは、利用者自身にストラテジーの戦略を立てることが求められるため、より戦略を組み立てやすい環境が必要となる。
特に、「仕掛けシュミレーター」と呼ばれるツールの評判が高い。自分でロジックの案を考え、過去の相場の値動きと照らし合わせて運用実績を確認するバックテストを行うことが可能である。バックテストを実行することで、ロジックの案の収益率やドローダウンの記録が把握できる。
もちろん、コンピューター・プログラミングの知識はまったく必要ない。見やすいツールがしっかり用意されているため、ユーザーにとっては簡単に戦略を組み立てられる状態になっている点が、人気の理由の1つであろう。
また、それとは別にインヴァスト証券では「らくらくテクニカル」というチャート予測ツールも取り扱われている。こちらも他のコンテンツと同じように、利用料は一切かからない。特徴としては、一目で今後トレンドになるのか、それともレンジになるのかを、過去の統計から予測する仕組みである。
「らくらくテクニカル」を使うことによって、瞬時に、簡単に相場の方向性を読み解くことができる点から、良い評価を得ている。トライオートFXを使った取引に参加するにあたって、瞬時にトレンドの予報を把握するためには、ぜひ利用したいツールであることは間違いない。
さらに、トライオートFXであらかじめ用意されている仕掛け(ストラテジー)には、「シストレ24」と同じように「ステータス・アイコン」というものが表示される。
このステータス・アイコンとは、各仕掛けをバックテストでの運用成績をもとに、一目でわかるような印で表示したものであり、利用者は各仕掛けの良し悪しを一瞬で把握することができる。
トライオートFXのもう1つの評価を得ている点としては、スプレッド幅がほかの選択型システムトレードの業者の中で低い部類に入る点が挙げられる。特に、メジャー通貨についてはかなりスプレッドが小さい。
インヴァスト証券のもう1つの自動売買ツールである「シストレ24」(Tradencyのミラートレーダー)よりもスプレッド幅が大幅に小さい。コストの面では大きなアドバンテージのあるツールといえる。
スプレッド幅が小さいことから、コスト面が損益結果に大きな影響を与えがちな短期売買にも優れた取引ツールである。スプレッドが小さければ、その分とりコツコツとこまめに利益を得る設定にしやすい環境であると言えるだろう。
また、スプレッドは固定制であるため、相場の需給の状況や時間帯によってスプレッド値が変化することは原則ない。
ただし、オートパイロット(自動売買のこと)を利用したときには、別途手数料がかかるケースが多い。手数料の具体的な料金は、1万通貨未満の取引であれば、全通貨ペア片道20円(2.0pips)である。1万通貨以上10万通貨未満は片道あたり10円(1.0pip)、10万通貨以上50万通貨未満では5円(0.5pips)のマークアップ手数料が発生する。50万通貨以上の場合は無料。
このように、スプレッドだけではなく、別途手数料が発生するのがトライオートFXの特徴であり、デメリットの部分となる場合もあるかもしれない。
トライオートFXにもデメリットはある。マニュアル注文した場合、最低取引量がオートパイロット注文の場合よりも条件が厳しい。マニュアルで取引してしまうと、最低1万通貨からしか発注できない。
オートパイロット注文においては、1,000通貨からの取引が可能であることを考えると、マニュアル注文の条件は欠点といえるだろう。したがって、トライオートFXに挑戦するのであれば、1,000通貨という少額投資ができるオートパイロット注文で自動売買にして取り組むのがおすすめである。
ただし、オートパイロット注文の場合、自動売買ということでスプレッドのほかに、追加的なコストがかかる。片道20円(2.0pips)のマークアップ手数料というコストがかかるのが、トライオートFXの特徴でもある。
社名:インヴァスト証券株式会社
INVAST SECURITIES CO.,LTD.
設立:昭和35(1960)年8月10日
資本金:59億6,508万円
上場:JASDAQ