一定の値幅ごとにFXの売買を繰り返す自動売買ツールである「トラリピ」であるが、欠点として提示されるスプレッド幅が大きいところが真っ先に挙げられる。
米ドル/日本円で4.0銭という数値になっているが、競合他社のアイネット証券で2.0銭、ミラートレーダー各社が3.0銭前後となっていることを考えると、トラリピのスプレッドは1.5~2.0倍ほど高いのがわかる。
コツコツ型の自動売買ツールという面では、トラリピもループイフダンも良く似た仕組みになっている。性質的にはほぼ同じである。複雑なストラテジーを使うことは一切なく、決められた値幅ごとにFX取引していくようになっている。
しかし、取引コストの大きさには大きな違いがある。米ドル/日本円を例にとると、トラリピは4.0銭であるのに対して、ループイフダンの方は2.0銭と半分の数値になっている。ショッピングでいえば半額というわけだ。
米ドル/円 | ユーロ/円 | 豪ドル/円 | 英ポンド/円 | |
トラリピ | 4.0 | 5.0 | 6.0 | 8.0 |
ループイフダン | 2.0 | 3.0 | 4.0 | 5.0 |
※単位はずべて銭(pips)
ユーロ/日本円、豪ドル/日本円などでも同じようにある程度のスプレッドの差がある。いずれもトラリピの方が高い結果になっている。
トラリピにて自動売買を行うにあたっては、一往復の取引である程度の利幅を狙うのが最善なやり方といえる。利幅が大きければ、その分収益額に対するスプレッドの大きさの影響は小さくなる。
特に50pips以上の値幅に設定した場合には、スプレッドの影響はほぼゼロであるといっても過言ではない。取引コストの大小は関係ない。むしろツールの利便性の方が重要になっている。
こうしたことから、20pips以下のスキャルピングのような手法を実践するためにトラリピを使うのはおすすめしない。コストのウエイトが大きくなってしまうため、資産の運用が非効率的になってしまう。
スプレッドが大きいにも関わらず、なぜトラリピの人気度が下がらないのかと疑問に思っている人は多いだろう。
取引コストが大きいのは事実であるが、自由に値幅設定できる点が人気のポイントとなっている。通貨ペアも11種類用意され、さらにはFXだけでなく日経225CFDにも投資できるようになっている。
これらの特徴をすべて取り揃えた業者は他にはないM2Jのトラリピならではの強みであるといえる。こうしたメリットの分がコストであるスプレッドに反映されているのであろう。唯一のデメリットであるかもしれない。
逆に言えば、スプレッドの高さ以外では長所が多い自動売買ツールであると受け止めることも可能だ。数多くの利点を持っているのも評価されている要点なのかもしれない。