トラリピには心配しなければならないリスクが存在する。それが大損する危険性である。自動売買になっているとはいえFXの取引である以上、場合によっては一気に資産を失う可能性もあるのは確かな事実。損失については常に心配しなければのは誰にでも当てはまることである。
実際に、トラリピの参加者のうち何割かの投資家は元本割れして退場を余儀なくされるほど大損をしている。同じく従来の裁量トレードにおいてもこのような人は一定の数存在する。
トラリピのシステムそのものが「夢のロボット」では決してない。相場の環境によっては急変して一気にドローダウンが拡大することがしばしばある。使い方が悪い場合もまた、損失が格段に増える原因となることも多い。
もしあなたもトラリピで利益を狙うのであれば、考えられるリスクとその対策法を常に頭に入れておかなければならない。
トラリピで大損する人の特徴として、まず相場を分析することなく適当に戦略の設定を行うケースが多い。各通貨ペアのトレンドの向きや値動きの特徴を理解せずにいきなりトラリピのロジックを稼働させる初心者がこれに当てはまる。
分析なしでポジションを持ってしまうと、それはランダムに取引しているのと同じ状態になる。手動で取引する裁量トレードでいい加減にFXの取引をしているのとまったく変わらない。
この状況が続いてしまうと、50%の確率で元本割れして損失を被るということになる。勝つ確率も負ける確率も50:50なので、大損するリスクもかなり高いのは間違いない。これだと競馬や競輪、競艇のようなギャンブルとの違いがないFX取引となってしまうのは避けられない。
特にトラリピで大損する可能性が潜在している参加者に多いのが、ただ何となくドル/円を買い方向で売買を繰り返すように設定しているというパターンである。
もちろん、相場の流れを客観的に分析したうえで買い方向が好ましいと予想したのであれば、ドル/円で買い方向でトラリピを設定してもやり方としては問題はない。その後一時的にはドローダウンを被って損失が出たとしても、再び利益を上げられる期待度は残る。
問題は「なんとなく」でトラリピの設定を行っているケースである。明確な理由なくドル/円・買い方向でポジションを持つようにしているのであれば、それは大損への道を進むことになるかもしれない。
トラリピで完全に100%大損するリスクを抑えることは残念ながら不可能。不確実性のある相場ということで、突如誰も予想もしなかったような値動きをすることもある。大きな事件や自然災害が起こった時がその代表的な例だ。
それでも、リスクをできるだけ小さく抑えることならだれにでもできる。それが、以下の3つである。
上でも述べたように、トラリピで戦略を設定するにあたっては、まず相場のトレンドや値動きの分析を行ってから、明確な根拠をもとに取引の設定を決めることが求められる。
チャートを使ったり経済の動向を調べならが、各通貨ペアの買い・売りの方向を決め、狙うpips幅を選定することで、大損のリスクを和らげられる。
また、今後トラリピの設定を変動するための基準を作っておくことも大切だ。どれくらいの含み損が発生したら戦略を見直すのか、あるいは利益がいくら出たら次の戦略を考えるのか、といったトレーディングルールのような方針を定めておくのが好ましい。
さらに、資金を1つの通貨ペアやトラリピの設定に集中して費やさないことも重要な手段である。1つの取引対象にマネーを一極集中させてしまうと、そこでちょっとした損失を被った時のダメージが大きくなる。
複数のものに分散させれば、どれか1つでたとえ大損したとしても、投資している資金全体でみれば一部分に限定される。分散投資と呼ばれる手法だが、トラリピにおいても非常に重要なやり方であるのは間違いない。