マネースクウェア・ジャパンの「トラリピ」において損切りの機能が付いているのかどうか不安に思うことが、初めての人ならあるかもしれない。この点では安心だ。しっかりと含み損を決済して手じまうことができるような仕組みが備わっている。
方法はとても簡単だ。トラリピの値幅などの設定を行う際に「ストップロス価格」という項目にて逆指値の基準値を入力するだけである。従来の裁量取引でおなじみの逆指値注文と同じやり方である。
また、決済トレールを使うというやり方もある。こちらは損切りを狙った方法ではないものの、決済価格が値動きのトレンドを追いかける仕組みになっていて、裁量取引のおけるトレール注文と同じような手段だ。
「ストップロス価格」を用いて損切りの設定を行った場合、その価格に達した場合にはトラリピを使って保有しているすべてのポジションが決済される。たとえば、3つのポジションを同時に持っていた場合には3つすべてが決済される。
決済されるのは既に保有されているポジションのみである。新規注文が以前に行われていてまだ決済されていないものだけが対象となる。「ストップロス価格」で決済された分は、その後の注文はキャンセル扱いのなる。以後再び自動的にエントリーされることはない。
まだ新規注文が出されていない分に関しては注文の内容は維持される。トラリピにて新規注文の基準に達した場合にはエントリーの注文が発注される。すべてが無効になるわけではない。
一方の決済トレールについては、損切りの価格が自動的に変動する。相場にトレンドが発生すると決済価格の基準値も変化する仕組みになっている。
決済トレードの場合、トリガー価格に達すると自動的にポジションがけっさいされる。トリガー価格とは、決済価格が移動するきっかけとなる価格のことであり、買い方向の場合は+20pipsごとに、売り方向では-20pipsごとに基準が移動する。
自分のポジションが相場のトレンドとは都合の悪い方向にすぐ進んだ場合には、トリガー価格は変動せずそのまま損切りの基準価格となるため、損切りの設定としてもおすすめの方法となっている。
トラリピをはじめとする、コツコツと一定の値幅ごとに利益を積み重ねていくタイプ、いわゆる「リピート系」の自動売買において損切りを入れるべきかどうかは人によって意見が異なる。
含み損が出たら早期に手仕舞いの注文を入れるべきであるという人もいれば、できる限り自動取引に従うのがよいという意見を持つ人もいる。
含み損を入れれば当然ながら損失のリスクは一定に限定される。過度に大きく資産を失うことを防げる。しかし、トラリピの本来の損益実績とは異なるものとなってしまい、裁量による要素も入ってくることになる。
一方で、損切りを設定しなければ、いきなり大きなドローダウンを被って多額の含み損が発生しる可能性が出てくる。その分リスクは大きくなる。とはいえ、トラリピ本来の収益力による恩恵を受けることができ、期待てきるリターンの金額も大きくなる。
双方ともに長所短所があるのが現状だ。したがって、どちらが良いとは言えない。各個人の取引スタイルに沿って判断し、安定志向の場合は損切りを入れ、積極的に収益を狙っていくのであれば損切りを入れるのが好ましいだろう。
運営会社:マネースクウェア・ジャパン
名称:トラリピ
自動売買の種類:リピート系
サービス開始:2007年12月